2011年2月
伝説の男 vol.2 「丹澤隆一」
ガラパン・ビーチロード沿いに2009年にオープンした『Salty’s』。Barでありながら、「づけ丼」や「タコライス」「手作りピザ」も食べられるこのお店のオーナー・丹澤隆一、通称TAKAさん。サイパンではまず知らない人はいない日本人の一人だ。しかし、彼がスクーバダイビングのインストラクターだったという事実は、思いのほか知られていない。
子供の頃から海が大好だった彼は、東海大学海洋学部に入学。卒業後の1983年、就職した会社からスリランカでコロンボ港をつくる業務を命じられ、約1年間就労する。その後、日本に帰国することになるのだが、海外での生活にハマった彼は、再びスリランカへ舞い戻る。最初の2ヵ月間はスリランカ人の友人宅に居候。次の1ヵ月間はドイツ人との共同生活。しかし、お金が底をつき再び帰国を余儀なくされる。
帰国後、以前よりその魅力にハマっていたスクーバダイビングの繋がりでダイビングショップに入社。1986年にインストラクターの資格を取得すると、翌年、会社の海外第一号支店のマネージャーという重責を背負ってサイパンへ渡る。サイパンの有名なダイビングスポットに「アイスクリーム」「ディンプル」(えくぼの意味)があるが、実は彼、これらの名称の名付親というから、当時の活躍ぶりが伺える。その由来を尋ねてみたところ・・・「一緒にボートに乗っていた女の子が、アイスクリームが好きなコだったから」。ディンプルについても「一緒に潜った女の子のえくぼが素敵だったから」らしい。凄いのだか何だかわからないが、どうやら女性にもハマりやすい性格であることは間違いないようだ。
もともと独立願望を抱いていた彼は1995年、撮影コーディネイト会社‘Kens International’を設立。けれど、その道程は簡単ではなかった。毎日3時間しか眠れない日々。マニャガハ島で無邪気に遊ぶ子供たちの写真を撮影して販売するビジネスもスタートしたが、思ったようにはいかない。じゃあ、パラセーリングやバナナボートをしている人の写真を撮ってあげて販売してみてはどうだろう?このアイデアが当たり、業績は少しずつ上向いていった。
しかし、彼のハマリ癖はそこがゴールではなかった。2009年にBar『Salty’s』をオープン。現在、自らが毎日カウンターに入り、その腕を振るっている。さてさて、次は何にハマるのか、どんな新展開が待っているのか・・・。TAKAさん、楽しみにしていますよ。