2012年2月
伝説の男 vol.14 「James Davies」
‘ジム’と呼ばれる彼の本名はJamesDavies。サイパンで最も日本語に精通した、カリフォルニア出身のアメリカ人だ。それも標準語だけでなく関西弁などの方言までペラペラと話せるこの男、一体、どんな人生を歩いてきたのか? その生き様はまさに、今、彼が力を注ぐアイランドツアーのようにユニークこの上ない。 1965年、10人兄弟の末っ子として誕生。幼少の頃から同級生に日本人がいたせいか、次第に日本という国に興味を抱くようになる。「日本に行ってみたい!」。そんな想いが募り、ピークに達した時、宣教師として渡日できるチャンスが訪れた。とはいえ日本語を勉強して、まだ2ヶ月。毎日、田んぼの中を自転車で走りながら単語帳で猛勉強、夜は英和辞典を抱いて寝る。そんな生活を続けながら約2年間、福井や愛知、瀬戸、四日市などを転々とした。
宣教師の任期を終え、アメリカに戻っても大学で日本語を学んだ。が、日本語を習得するなら、やっぱり住むのが一番!と再び日本へ。23歳という年齢ながら高校生という立場で瀬戸に戻った。田舎を愛すると同時に、根っからの探検好き。「熱海から適当に歩いていたら伊東だった」「名古屋から下関まで車で行き、そこからフェリーで釜山だよ」…話し始めると楽しいエピソードが矢継ぎ早に飛び出してくる。
サイパンに上陸したのは25歳の時。2週間の予定が、この島が気に入り、そのまま住人になってしまったらしい。当初はダイビングショップで働き、その後の8年間は撮影のコーディネイト会社に勤務。日本のTV番組のロケで3週間もの間、出演者・高橋克典氏とともに、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島の島々を回ったこともあるとか。「マジュロで島で有名な漁師と釣りに行ったわけよ。その翌日、大統領に面会を申し込んだら、その漁師でさ」…とにかく大笑いする逸話が盛りだくさんだ。 そして2年前、遂に大好きな探検を仕事にした。彼が案内する何が起こるかわからないドキドキのジャングル体験、[JungleJim IslandTour]がそれ。いかにもジムらしいオヤジギャグ的な名称だが、24時間体制でケアし、英語も学べ、赤ちゃんから100歳のご老人まで対応するという。とにかく陽気で愉快なこの男、どこまでジャングルを深掘りするのやら、これからの展開をぜひ見守ってみたい。