2017年1-3月
真夏の中村あゆみ vol.40
12月10日、川崎クラブチッタで‘中村あゆみ生誕半世紀’の1年を締めくくるコンサート『Ayumi Nakamura 50-year Super Live~Rock Alive 2016』が開催された。12月7日に初の本格的セルフカバーベスト『A BEST~Rolling50』をリリース、その3日後のLIVEだ。入口には大勢の人、人、人。壁面は連貼りのポスターで埋め尽くされ、ロビーには絶版バイクがド~ンと展示されている。会場内に一歩踏み入ると、彼女のロゴマークがデザインされた大フラッグが威風堂々と睨みをきかせ、これぞRock!という空気感。開演前から全身にゾクゾクが走る。
着席後、しばらくすると、いよいよ開演時間。照明が落ちていく…と、突如、動画が流れはじめた。なんと、それは26年前のクラブチッタ公演。つまり24歳の時のLIVE映像だ。派手なパフォーマンスで熱唱する中村あゆみ。やがて人気曲‘金曜日のバレリーナ’、そのイントロのシーンに入っていく。ん? スピーカーから聴こえる音に、生バンドの音が重なった!その瞬間、打ち上げ花火のように照明がステージを照らし、今の中村あゆみが登場。そして、生の彼女が歌いはじめる。一斉に立ち上がり、拳を振り上げる観客。そこからはノンストップ!大ヒット曲のオンパレードにボルテージはMAXに。「もう一度、青春を、はじめよう」。平均年齢50歳と想定される場内は、そのキャッチコピーの通り、まるで青春真只中。彼女の歌声に呼応するかの如く、みるみると若返っていく。凄い!これぞ‘本物’が成せる業だ。
あっという間に2時間が過ぎ、あゆみ!あゆみ!…。うねるアンコールの雄叫びが続く。すると再び動画が流れはじめた。名曲‘It’s all right’の当時のPVだ。派手なカラーリングを施したチョッパー型のバイクをカッ飛ばす中村あゆみ。ん?ドドド…というエンジン音が妙に大きくなった、と思ったら、なんと、画面に映っているそのバイクに跨って、颯爽とステージに走り込んできた。20代の頃に手放した愛車。それが奇跡的に彼女の元に戻ってきたらしい。そのバイクがピカピカにレストアされ、あの頃のままの輝きを放っている。まるで時を越えて来たかのように…。それから4曲を熱唱し、中村あゆみの50歳の1年は幕を閉じた。
26年前、サイパンは日本人が押し寄せる人気リゾートだった。街は活力に溢れていた。今、何かが変わったわけじゃない。海も山も、空も風も、あの頃のまま。僕たちも負けないで。もう一度、青春を、はじめよう。
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