2012年3月
真夏の中村あゆみ Vol.15
3月号の取材は2月15日、有楽町のカフェにて。久しぶりの再会に内心ドキドキしながら待っていると、中村あゆみはいつものようにニコニコ顔でやって来た。目が合った瞬間、彼女の第一声は「あ、いけない!!田中さんに渡そうと思ってたバレンタインのチョコ、家に忘れてきちゃった!!本当にごめんなさい!絶対食べて欲しかったんだけどなぁ・・・」。話によれば激ウマのチョコレートを、僕のために用意してくれていたらしい。
ステージで観る彼女はパワフルかつダイナミック。ユニセックスで、どちらかというと小さなことは気にしないタイプに見えるかもしれない。しかし、それは違う。素顔の中村あゆみは周囲の人たちに人一倍気を遣う、実に女性らしい女性だ。当然ながらサポートするスタッフへの気遣いも半端ではない。相棒のギタリスト、マネージャーがデビュー当時からの付き合い、という事実からも、それはうかがえる。しかも、その家族も身内同然。毎回、話を聞いているだけで心が温かくなる。それほど、彼女の思いやりは深い。ところで、1~2月は曲づくりに集中してるって言ってたけど、調子はどう?この質問に対して、待ってましたとばかりに「いい曲、できてるよぉ!!」。まだ完成しているわけではないが、どうやらライブで盛り上がる、みんなで大合唱OK!みたいな曲に仕上がりそうな雰囲気だ。「といっても元気いっぱい幸せいっぱい、とは限らないけどね。切なくても、それが人生の応援歌になることもあるでしょ?」。なるほど、この日はその意味がよく理解できた。
1日遅れのバレンタイン。ジェントルマンを装って「気にしないで。気持ちだけ、ありがたくいただくよ」と笑って答えたものの、大ファンだった中村あゆみからの、まさかのプレゼント。何も期待していなかっただけに、心の中は、用意してくれていた喜びと、結果的にもらえなかった悲しみの二重奏。しかし、不思議とモチベーションが湧いてきた。これは僕への応援歌なのね・・・そういうことならこの企画、来年の2月まで続けるぞ! オー!