真夏の中村あゆみ

2011年12月

真夏の中村あゆみ Vol.12

 僕だけだろうか、「中村あゆみ」という人物からアメリカと日本が混在する街・横須賀や異国情緒ある港町をイメージするのは。僕の中の彼女、その背景には常に海が広がっているのだ。実は一昨年まで、11月のボージョレー解禁に合わせたライブが彼女の恒例行事のひとつだった。Tokyo Bayをクルーズしながらのディナーショー。ここだけの話だが、大ファンだった僕は、その熱いステージを拝見したことがある。今回の写真は、その時の1ショット。間近に感じる彼女の存在、そして生のハスキーボイスが胸の奥にビリビリと響いて、船を降りてもその余韻が収まらず、朝まで眠れなかったことを思い出す。 あのステージから、中村あゆみはまたひとつアップグレードするらしい。来年3月1日、名古屋港から出航し、高知~宮崎・日南~名古屋をクルーズする豪華客船‘飛鳥’のひな祭りクルーズ。この船上で彼女のライブが開催される。「飛鳥でのステージは俄然気合い入っちゃうよ! 田中さんも、ぜひ、観に来てよ」。誘っていただいたのは本当に感激!だけど、金銭的にも時間的にもかなりの余裕が必要のようで・・・。もし乗船した方がいたら、ぜひ、ご一報いただきたいところだ。

 アルバム『1966628』の中に「グレープフルーツムーン」というセルフカバー曲がある。僕がこの歌を初めて聴いたのが、11月の船上ライブの時。満月を表現したタイトルなのだが、海の上に浮かぶ満月に、‘悲しい涙 流した数だけ 幸せになれるから♪’と、いつものパワフルな中村あゆみとはまた違う、優しくいたわるような歌声が重なる。その瞬間、閉じ込めてきたいろいろな想いが一気に込み上げてきて・・・思わずホロリ。視界の月がにじんだ。サイパンの夜空は息をのむほど美しい。煌く星の群れの中に浮かぶ月を観ながら、ぜひ聴いてみてほしい名曲だ。

 2011年、日本は戦後、最大の悲しみを数えた。まだ、その悲しみは終わらないけれど、流した涙の数だけ、2012年は幸せがたくさんたくさん訪れてほしい。そう月に願って、今年を締めくくりたい。あゆみさん、来年もよろしくお願いします!

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