2016年1-3月

真夏の中村あゆみ Vol.36

「2015年はどんな1年だったかな?」。僕のこの質問に、中村あゆみはまるで1年分の心の日記を読み返すかのように、そっと目を閉じた。スタンダードナンバーが流れる、夕暮れ時のカフェ。まるで眠りについた白雪姫のように、その表情は安らかだ。やがて彼女は瞼を閉じたまま、静かに語りはじめる。「今年は、たくさんの作家の方々に書き下ろしていただいたアルバム『Chameleon』がリリースされて、今までとは違う‘中村あゆみ’にトライした、ある意味、成長の年だったかな…東京・西麻布の発売記念LIVE、そして渋谷でのBirthday Live、7月は名古屋・大阪…。もちろん東北や九州、四国のいろんなフェスティバルや‘NAONのYAON’に出演したり、いつもの自分もしっかりやりながら、なんだけどね。振り返ってみると、追いたてられることもなく、ジッと待っているというわけでもなく、流れに身を預けて、変化していく景色とか香りをじっくりと楽しんだって感じかなぁ…」。
　ゆっくりと言葉をつむいでいく彼女。1年前とは明らかに何かが違う。けれど、それが何なのか、つかめないままでいた。「最近、よく考えるんだよね。幸せって何だろうって」。そして、再びの沈黙の後、「きっと10年後かな、その答えが見えてくるのは…」と独り言のように結論をたぐり寄せた。彼女は1年分ではなく、10年分の日記を冷静に読み直していたのかもしれない。さっきまでの疑問が、ようやく腑に落ちた。中村あゆみは、すでに次なる人生のステージに足を踏み出している。1年という単位ではなく、次なる10年に想いを馳せているからなんだ、と。「来年はLIVEに力を入れたいと思ってるんだ。さて、どんなLIVEでしょう!?それはお楽しみ～」。愛くるしい少女のような笑顔は、何ひとつ変わらないまま、彼女は2016年6月28日、50歳を迎える。
　年末年始は国内屈指のクラシック音楽ホール・石川県立音楽堂でのカウントダウンイベントに出演する中村あゆみ。オーケストラ・アンサンブルに包まれながら、2015年を締めくくり、2016年の幕を開ける。まさに彼女の新時代を予感させるスタートになりそうだ。あゆみさん、次なる10年も楽しみにしていますよ!!

☆中村あゆみオフィシャルブログ☆


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